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薬剤師国家試験の合格ボーダーラインはどうなってるか?
薬剤師国家試験の合格条件はどうなっているのか?
この疑問、悩みにお答えします。
この記事の信頼性
2023年2月18日、19日に第108回薬剤師国家試験が実施されます。
実際に受験される薬学部6年生、卒業生の皆さんはもちろん、来年以降に受験を控えている薬学部も「薬剤師国家試験での合格ボーダーラインは何点なのか?」「確実に合格できるにはどのくらいの点数が必要なのか?」と気になる人は多いはず。
当サイト想定した第108回薬剤師国家試験の合格ボーダーラインは次の通り。
得点(690点満点) | 正答数(345問中) | 得点率 | |
合格確実 | 470点 | 235問 | 68.12% |
合格有力 | 460点 | 230問 | 66.67% |
たぶん合格 | 450点 | 225問 | 65.22% |
合格微妙 | 436点 | 218問 | 63.19% |
ただし薬剤師国家試験には、合格の必須基準があるので、それを確実にクリアすることも重要となってます。
この記事では、薬剤師国家試験の合格条件を解説するとともに、過去7回の薬剤師国家試験の合格点、得点率、合格率などの分析データから薬剤師国家試験の合格ラインを設定した根拠について解説してます。
また、気になる禁忌肢の情報についても併せて解説してます。
最後まで読んでいただくと、「薬剤師国家試験の合格ラインはどのくらいなのか」「禁忌肢の問題で間違えたらどうしよう」などと無駄に心配することなく、全力で国家試験の勉強・本番の試験にのぞめます。
1.薬剤師国家試験の配点・合格の必須基準
薬剤師国家試験の問題科目、配点は次の通りです。
(参考)厚生労働省:「新薬剤師国家試験について」の一部改訂について
試験時間は次の通りです。
(参考)厚生労働省:「新薬剤師国家試験について」の一部改訂について(一部改変)
まず第1日目の最初に全科目90問の必須問題試験が行われ、その後各科目ごとの一般問題試験が行われます。
〇合格の必須基準
薬剤師国家試験では合計点に関係なく、必須基準を満たさないと不合格になってしまうので注意が必要です。
薬剤師国家試験の必須基準は次の通りです。
ポイント
必須問題について、全問題への配点の70%以上で、かつ、構成する各科目の得点がそれぞれ配点の30%以上であること
つまり必須問題に関しては、次の条件が必要です。
①必須問題90問中63問以上(70%以上)の正解が必要
②必須問題各科目30%以上の正解が必要
科目 | 問題数 | 最低 正答数 |
物理・化学・生物 | 15問 | 5問 |
衛生 | 10問 | 3問 |
薬理 | 15問 | 5問 |
薬剤 | 15問 | 5問 |
病態・薬物治療 | 15問 | 5問 |
法規・制度・倫理 | 10問 | 3問 |
実務 | 10問 | 3問 |
※「科目で30%の正答数」なので、「物理・化学・生物」の場合、生物が0点でも物理・化学で5問以上取れれば問題なし。
以前は一般問題にも最低正答数は定められてましたが、第101回薬剤師国家試験から必須問題に最低ラインが定められてます。
また、第104回薬剤師国家試験から「禁忌肢の選択状況を加味する」と条件があります。
これは設定された問題の選択肢から選んではいけない解答を選択した場合、どんな点数でも不合格になることがあることを示してます。
※第104回から第107回までの試験では、禁忌肢の選択は3問以上で不合格
必須問題の最低ライン以上の点数を取り、禁忌肢を設定数以上選択しないことが薬剤師国家試験の必須条件になるので注意してください。
詳細については、厚生労働省の資料をご確認ください。
2.過去7回の薬剤師国家試験の合格ライン
合格点が公開されている第101回薬剤師国家試験から、過去7回分の合格点のデータです。
試験回 | 配点 | 合格点 | 得点率 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
107回 | 690 | 434 | 62.90 | 15609 | 14124 | 9607 | 68.02 |
106回※1 | 688※2 | 430 | 62.50 | 15680 | 14031 | 9634 | 68.66 |
105回 | 690 | 426 | 61.74 | 15785 | 14311 | 9958 | 69.58 |
104回※3 | 690 | 450 | 65.22 | 15796 | 14376 | 10194 | 70.91 |
103回 | 690 | 434 | 62.90 | 14876 | 13569 | 9584 | 70.58 |
102回 | 682※4 | 434 | 63.64 | 14701 | 13243 | 9479 | 71.58 |
101回※5 | 686※6 | 446 | 65.01 | 16658 | 14949 | 11488 | 76.85 |
※1:第106回から新コアカリキュラム。完全相対基準適応
※2:1問廃問
※3:禁忌肢導入 107回まで禁忌肢問題選択数は2問以下
※4:4問廃問
※5:第101回より必須問題70%以上かつ各科目30%以上の基準に変更。一般問題の基準は廃止。
※6:2問廃問
第106回薬剤師国家試験から新コアカリキュラムで授業を受けてきた薬学部生の受験となり、問題の傾向・領域も変更となってます。
また、第106回から合格点が受験者の平均点と標準偏差を用いた相対基準が完全に適応となってます。
簡単に言うと「難しいテストなら合格点は低く」、「簡単なテストなら合格点は高く」、と一定数の合格数を確実に確保する仕組み。
一方第100回まで導入されていた絶対基準の場合は、問題の難易度に関係なく一定の得点率(補正はあるが一般に65%以上)となっており、テストの難易度によって合格者数のふり幅が大きくなる(簡単なら多く、難問なら少ない)。
そこで第101回から相対基準が導入され、105回までは移行期間として「総得点率65%以上は合格」という、どんなに試験優しくても合格ラインが65%以上にならない規定が設けられてました。
第106回薬剤師国家試験からは規定が完全になくなり、合格ラインが得点率65%以上になる可能性がありましたが、第106回、第107回ともに得点率62%台、合格者数9,600人程度となってます。
3.第108回薬剤師国家試験の合格ボーダーライン予想
それでは当サイトで予測したボーダーラインは、最初にも書きましたが次の通りです。
得点(690点満点) | 正答数(345問中) | 得点率 | |
合格確実 | 470点 | 235問 | 68.12% |
合格有力 | 460点 | 230問 | 66.67% |
たぶん合格 | 450点 | 225問 | 65.22% |
合格微妙 | 436点 | 218問 | 63.19% |
先程も説明しましたが、第106回薬剤師国家試験から合格点の条件がない相対基準が完全に適応されてます。
また相対基準導入後の第106回、第107回の合格者数が9,600人台でした。
したがって昨年同様、受験者数14,000人台として、「合格者が9,500人前後、合格率68~69%台になるところに合格ラインが置かれる」と想定します。
その点を踏まえて合格点のボーダーラインを解説します。
合格確実:得点470点 正答数235問 得点率68.12%
まあどんなに相対基準が導入されたって、得点率68%以上で不合格ということはありえないでしょう。
6年制の第1期生が薬剤師国家試験を受験した、第97回薬剤師国家試験では合格率が過去最高の88.3%の結果なら、受験者の70%以上つまり10,000人以上が得点率68%以上ということもあるかもしれません。
しかし、この第97回は2年間新卒薬剤師がいなかった時だったので、その分問題もやさしかったといわれてます。
この例外的ともいえる試験のやさしさがない限り、得点470点、正答数235問、得点率68%以上なら確実に合格と断言します。
これ以上ならかなり波紋を呼びそうです。
合格有力:得点460点 正答数230問 得点率66.67%
相対基準が導入されているので、絶対とは言い切れませんが、得点460点、正答数230問、得点率66.67%なら合格はまず大丈夫と言えます。
相対基準が移行期間で導入され、合格点が公表された第101回薬剤師国家試験から、合格点の得点率は66%以上になったことはありません。
この点を踏まえても全体の3分の2である得点460点、正答数235問ならまず大丈夫と言えます。
ただし第101回は、合格基準が変更になったことから、問題がやさしめだったといわれているので、第101回と同様の試験の難易度なら合格ラインは大きく上がる可能性があります。
しかし、第106回、第107回の問題を見ると全体的に難易度は上がっていると思われるので、合格ラインが460点を超えることはまずないと予想します。
たぶん合格:得点450点 正答数225問 得点率65.22%
得点率が65%以上の450点、正答数225問ならたぶん合格すると予想しました。
絶対基準が得点率65%以上であったため、66%以上に合格ラインが上がったことはありません。
しかし相対基準なので、今までなら確実に合格である65%でも試験の難易度によっては危なくなる可能性があります。
問題のレベル、受験者のレベルによって場合によっては不合格になるかもしれませんが、過去の実績、新基準の第106回、第107回の得点率が62%台なので、得点450点、正答数225問、得点率65.22%なら、たぶん合格と予想します。
合格微妙:得点436点 正答数218問 得点率63.19%
得点436点、正答数218問、得点率63.19%の場合、合格は微妙なラインとなります。
第106回は得点430点、正答数215問、得点率62.50%、第107回は得点434点、正答数217問、得点率62.90%。
この新基準の2回の試験よりは良い点数ですが、試験の難易度、他の受験生の得点率によって本当に微妙なラインです。
あと1問とれてれば合格だったのに・・・という事にもなりそうなラインです。
合格発表まで1か月間、本当に心臓がバクバクしてしまう点数。
1問でも正解を重ねて安心したいものです。
【相対基準なので合格ラインが低いことも】
何度も言ってますが、相対基準であるため、試験が難問だった場合、合格ラインが大きく下がることもあります。
例えば薬剤師国家試験合格率が史上最低の60.8%をたたき出した第99回は、過去最高の合格率であった第97回の試験がやさしすぎた反動で、非常に難問だったといわれてます。
一定数の合格者が確保できるまで、合格ラインは下がる可能性があるので、あきらめてすぐに内定取り消しなど、しないようにしてください。
4.禁忌肢は気にする必要は全くない
最後に第104回薬剤師国家試験から導入された「禁忌肢」の問題ですが、これは気にする必要は全くないです。
「どれが禁忌肢なんだろう?」「禁忌肢を選択してしまったらどうしよう」と、試験本番や直前に不安になると思いますが、禁忌肢を気にせず「とにかく1問でも多く正解を出す」「あきらめずにギリギリまで頑張る」ことに全力を注ぐべきです。
なぜなら「禁忌肢」は薬剤師国家試験に合格する人、合格ギリギリの点数がとれる人は、まず選択することのない選択肢となってるからです。
また禁忌肢が含まれている問題は公表されないため、どの問題のどの選択肢が禁忌肢なのか試験中に考えるのは無駄です。
禁忌肢とはどのような定義になっているかは次の通り。
薬剤師には、医療人としての高い倫理観と使命感が求められることにかんがみ、薬剤師として選択すべきでない選択肢(いわゆる禁忌肢)を含む問題について、導入することとする。
禁忌肢の導入にあたっては、公衆衛生に甚大な被害を及ぼすような内容、倫理的に誤った内容、患者に対して重大な障害を与える危険性のある内容、患者に対して重大な障害を与える危険性のある内容、法律に抵触する内容、誤った知識をもった受験者を識別するという観点から作問することとする。
つまり「禁忌肢を選択するような受験生は薬剤師であってはならない」というくらい、ありえない選択肢となってるはずです。
禁忌肢を含む問題は公開されてませんが、第107回の問題では次の問題が禁忌肢を含む問題の一つだと考えます。
(参考)第107回薬剤師国家試験2日目③ 一般問題(薬学実践問題) 一部改変
こちら第107回薬剤師国家試験の一般問題の一題ですが、風しんにかかった患者への対応に関する設問です。
この選択肢で禁忌肢と私が予想するのは、「1」の「他の医療機関を受診する際は、不安をあたえないために風しん感染の情報を伝えないよう勧める」です。
風しんはお分かりのように第5類感染症に分類される、感染能力の強い感染症で、妊娠20週ころまでの妊婦が感染すると先天性風しん症候群の子供が生まれてくる可能性が高い疾患。
このような風しん患者に対して、「情報を伝えないで医療機関の受診する」と説明するのは「公衆衛生に甚大な被害を及ぼすような内容」と言えますね。
このように薬剤師の常識的には選択する可能性が極めて低い選択肢が、禁忌肢とされていて、またどの選択肢が禁忌肢かわからないので、試験本番では禁忌肢を心配する必要はありません。
ちなみにマークシートの記入間違いも考慮にいれて、過去4回の国家試験では、2問だけなら禁忌肢を選択してもOKとなってます。
まとめ:まずは得点450点・正答数225問・得点率65%以上を目指そう
まとめます。
今回、第108回薬剤師国家試験の合格ボーダーラインとして、次の合格確実から合格微妙のラインまで4つの目標点を紹介しました。
得点(690点満点) | 正答数(345問中) | 得点率 | |
合格確実 | 470点 | 235問 | 68.12% |
合格有力 | 460点 | 230問 | 66.67% |
たぶん合格 | 450点 | 225問 | 65.22% |
合格微妙 | 436点 | 218問 | 63.19% |
第106回薬剤師国家試験より合格者数が9,500人程度安定して確保しやすい、相対基準が適応されているため、試験の難易度によっては、合格ラインが大きく上がる可能性もあります。
また第104回より禁忌肢が導入されており、間違えて2個以上選択すると無条件で不合格となる可能性があります。
しかし、合格ライン付近まで勉強を積み重ねている皆さんでは、選択することはまずない選択肢となっているため、気にすることはありません。
絶対にこのラインでは合格、というのは相対基準では言えませんが、やはり得点率65%以上である、450点、正答数225問をまずは第一目標として、そこから1問、1点でも多く上乗せられるように、最後まであきらめず頑張ってください。
来年以降に国家試験受験を控えている方に向けて、いつから薬剤師国家試験の勉強を始めたらよいのか?どのような参考書がおすすめなのかについて、次の記事にまとめてます。
薬剤師国家試験の勉強はいつから?遅くても6年生の4月から開始!
薬学部の勉強にこの3冊はマジ使える!おススメ参考書を教えます
併せてお読みください。
また、各大学の薬剤師国家試験の合格率のデータや6年間ストレート合格率のデータは次にまとめてますので、こちらも併せてお読みください。
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