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研究職を目指すのなら薬学部4年制が最適な3つの理由

2020年5月11日

薬学4年制で研究者

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薬を開発する研究者に将来なりたいです。

薬学部の4年制と6年制のどちらに進めばいいですか?

 

はてな

薬関係の研究者になりたい人は、薬学部の4年制と6年制どちらを目指せばいい?

この疑問にお答えします。

 

この記事の信頼性

だだの
だだの
薬剤部長

薬剤師歴20年目!(2021年時点)

大学病院薬剤部13年勤務

現在は、民間病院の薬剤部長をやってます。

部長歴6年

大学病院時代のつながりから、

国立大学、私立大学の教授、教員に、

知人が多数います。

プロフィール

 

結論からいいますと、薬関係の研究者を目指す人は、圧倒的に4年制+修士課程2年がおすすめです。

とにかく研究に励みたい、研究職に就きたいのなら、研究実績を早くから積み重ねることが大事です。

この記事では、薬学部4年制のメリット・デメリットを紹介しつつ、研究職を目指すなら4年制がおすすな根拠についてまとめてます。

 

最後まで読んでいただければ、薬学部4年制が研究職におすすめな理由が理解でき、進路選択の役に立ちます。

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研究職を目指すなら、薬学部の4年制に進学が良い

薬学部4年制のメリット

薬学部には薬剤師国家試験の受験資格を得ることができる6年制の課程(薬学科)と4年制の課程(薬科学科)があります。

実はどちらの課程に進んでも、研究職として就職することは可能です。

 

ちなみに研究職としての就職先は、

大学関係、国公立研究機関、製薬企業などの民間企業になります。

 

今回は研究職を目指す薬学部4年制の進学について、次の項目で説明していきます。

  • 4年制のデメリット
  • 4年制のメリット
  • 研究職を目指すならこの大学がおススメ

 

では始めます。

 

4年制のデメリット

まず先に4年制のデメリットから紹介します。

デメリットは次の2点

  • 薬剤師になれない
  • 4年制卒業だけで研究職につくのは難しい

 

このデメリットは進路選択にはしっかり考慮しておく必要があります。

 

薬剤師になれない

まず最初にも書きましたが薬剤師の受験資格を得るには、6年制の薬学科を卒業しなければなりません。

仮に途中で薬剤師になりたい場合は、4年制の薬科学科を卒業したあとに、6年制の薬学部の4年生に編入し直す必要があります。

(2018年以前の入学者は大学院での救済あり)

 

したがって進路変更する場合は、通常の6年制よりも年数がかかってしまいますし、学費もかかります。

また4年制を卒業する前で6年制を希望する場合は、編入条件も満たさず、もう一度6年制にはいり直す必要も出てくる場合があるので、編入希望先の条件をしっかり調べておく必要があります。

 

なかなか4年制からの進路変更は難しいので注意が必要です。

 

4年制卒だけでは研究職につくのは難しい

基本的に4年制の学部卒だけで、製薬企業などの研究職に就職するのは難しいです。

これは薬学部だけでなく、理系の研究職全般に言えます。

 

実際例として武田薬品工業の募集要項を上げます。

武田薬品工業の就職要綱

参考)武田薬品工業株式会社 2021年度新卒入社募集要項(一部改変)

 

この【要件】のところに書かれているように、

修士課程博士課程を修了となってますので、4年卒ではそもそも応募できませんね。

 

したがって研究職につきたいなら、修士課程を終える必要があります。

つまり4年+2年です。

 

もちろん会社、業種を選ばなければ4年卒でも研究職へつけますが、就職活動ではかなり苦労すると思います。

出身大学、指導教官がその企業にコネクションがあると可能性はありますが。

 

4年制のメリット

ここまでデメリットの方を書いてきましたが、

タイトルの通り、圧倒的に4年制の方がメリットが大きいです。

 

4年制のメリットは次の3つ

  • 早く大学院で専門的な研究ができる
  • 実務実習、国家試験に時間がとられない
  • 早く研究職として就職できる

 

では説明します。

 

早く大学院で専門的な研究ができる

4年制、6年制のカリキュラムをあげます。

薬学部4年のメリット

参考例:富山大学薬学部ホームページより

 

大学院での研究はより専門的になります。

4年制、6年制にかかわらず、3年次から研究室配属(私立は5年次がほとんど)され、卒業研究を行いますが、やはり大学院での研究とはレベルが違います。

 

6年制より2年早く大学院で研究できるのは、研究技術を高められますし、学会発表、論文投稿などプレゼン能力も高められます。

 

病院実習、国家試験に時間がとられない

6年制の場合は最終目標が、薬剤師国家試験の合格になります。

したがって6年制の場合は、3年次からの学科別の授業は薬剤師国家試験に向けての授業が多くなります。

 

また4年次は臨床実務実習にむけての、薬学共用試験(CBT、OSCE)に合格する必要があるので、そのための勉強、実習。

5年次は病院、薬局の22週間連続の臨床実務実習

6年次後半は国家試験の勉強。

と、必然的に研究の時間がとられてしまいます。

 

この「薬剤師に向けて」の授業、実習にかかる時間が、4年制の場合、研究、勉強にあてられます。

だから6年制卒より4年卒+修士課程2年の方が、圧倒的に研究にかける時間が多くなり、研究者としてのスキルが高まります。

 

早く研究職として就職できる

4年卒+修士2年だと6年制卒と変わりません。

しかし研究実績、経験値は6年制卒より多く積んでます。

この点が有利な点は先ほど説明しました。

 

では6年卒が研究をするために大学院に進むと・・・

実は4年間の博士課程しか進めません。

ここが6年卒の厳しいところ。

博士課程まで進学すると、計10年かかってしまいます。

なかなか時間的に、学費的にも厳しいですね。

 

参考までに大学教官で働く場合は、たいていの場合は博士の学位が必要になります。

 

ちなみに4年+修士2年の先は、3年間の博士課程です。

つまり博士の学位も4年卒の方が1年早く習得することができ、大学教官としての就職も早くできます。

 

薬学の研究職を目指すならどの大学を目指すべきか?

では薬学の研究職を目指すなら、どのような進路を選べばいいか?

 

次のパターンで考えてみます。

  • 完全に研究職を目指すと決めた
  • 研究者と薬剤師とで悩んでいる
  • 薬剤師になってかつ研究もバリバリやりたい

 

 

完全に研究職を目指すと決めたなら

これは当然国公立大学薬学部の薬科学科です。

理由は、

  • 国公立大学は4年制の薬学科の定員が充実してる
  • 研究設備、研究費が充実(研究費は外国と比較すると少ないですが)してる
  • 教授、スタッフのレベルが高い
  • 学費が安い

になります。

 

薬科学科は薬学科より若干偏差値的にも低めです。

 

〇薬科学科として受験できる国公立大学

富山大、岡山大、広島大、九州大、

長崎大、熊本大、静岡県立大、

名古屋市立大

 

〇進級過程で薬科学科に進める

北海道大、東北大、千葉大、東京大、

金沢大、京都大、

 

推薦入試等で学科縛り等もありますので、国立大学薬学部偏差値、募集人数完全データ【2020版】を参考にしてください。

 

研究職と薬剤師どっちに進むか悩むなら

大学進学の段階で悩むなら、進級過程で分かれる大学が良いです。

国公立大学であれば6年制でもしっかり研究はできますので。

 

薬剤師になった上で研究もバリバリやりたい

これは大阪大が面白いカリキュラムを組んでます。

 

他の大学が4、5年生でおこなうスケジュールを、5、6年生で行うことにより、実験時間をしっかりとってます。

また博士課程に相当する4年間の学費を大阪大で補助するコースもあります。

大阪大の項目を参照にしてください。

 

私立大学の4年制ならどうなのか?

私立大学も4年制の薬学科が存在している大学はあります。

 

〇4年制のある大学

東北医科薬科、城西、日本薬科、東京理科

北里、慶應期塾、星薬科、明治薬科、

横浜薬科、立命館、近畿、武庫川女子、

九州保健福祉

 

ただいずれの大学にせよ、4年制終了後に修士課程に進まないと研究職に就職するのは難しいです。

 

まとめ:4年制+修士2年の方が、ガンガン研究できるのでおススメ

まとめます。

今回薬学の研究職を目指す人に向けて、4年制の薬学科に進学する

3つのメリット

  • 早く大学院で専門的な研究ができる
  • 実務実習、国家試験に時間がとられない
  • 早く研究職として就職できる

2つのデメリット

  • 薬剤師になれない
  • 4年制卒業だけで研究職につくのは難しい

を紹介しました。

 

今回の説明で4年制+修士課程2年のメリットが大きかったことが理解できたと思います。

本気で研究職を目指しているのなら、参考にしてください。

国公立大学薬学部の定員、学科振り分けに関しては、

国公立大学薬学部の偏差値・学費・薬剤師国家試験合格率・入試データ

に記載してます。

また最後に薬学部選びの参考に次の記事を用意してます。

ぜひお役立てください。

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