薬剤師の仕事 薬剤師の将来

薬剤師以外が調剤できるの?0402通知を徹底解説!

2020年4月9日

0402通知 薬剤師の仕事
調剤助手さんとか事務員さんが、

仕事を手伝ってくれることがあるけど、

どんな仕事をやっていいの?

薬剤師以外の人が調剤ってやっていいの?
だだの
これはね・・・

昔からグレーゾーンだったんだ。

ただ、国から通知があって、

条件がハッキリしたんだ。

バッチリ答えます!

 

はてな

薬剤師以外が調剤をやっていいの?

薬剤師以外がやっていい作業ってなに?

 

この疑問を解決します。

この記事の信頼性

だだの
薬剤部長

薬剤師歴22年目(2023年時点)

大学病院薬剤部13年勤務

現在は、民間病院の薬剤部長をやってます

部長歴8年

医療業界に長くいるので、裏事情までしっかり把握してます。

プロフィール

 

この記事では厚生労働省通知をわかりやすく解説し、今までグレーゾーンだった薬剤師以外の仕事を理解できる内容となってます。

 

なぜならこの通知にそって、私の薬剤部の仕事を変更し厚生局の査察を問題なくクリアしてます。

 

最後まで読んで頂けると、薬剤師以外の人にやってもらえる仕事内容が理解でき、問題なく安心して仕事ができます。

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薬剤師以外が調剤していいの?0402通知を徹底解説!

薬剤師以外の調剤 0402通知

まずまず大前提として調剤を行っていい人は、

薬剤師法第19条で次のように規定されてます。

 

注意ポイント

医師、歯科医師又は獣医師が事故の処方箋により自ら調剤するときを除き、薬剤師以外のものが、販売又は授与の目的で調剤してはならない

 

ということで、調剤助手やスタッフの方がやる仕事を「調剤」と決して言ってはいけません!

ここ超重要なので、本当に発言を気を付けてください

 

査察の時にでうっかり言ったら、とんでもない事になりますよ!

本当に。

 

0402通知で薬剤師以外ができる仕事が明確に

今までグレーゾーンだった、薬剤師以外の仕事。

それが明らかになったのが、

平成31年4月2日厚生労働省・生活衛生局総務課長からの通知

 

これがいわゆる「0402通知」というものです。

このたった2ページの通知で決まるとは・・・

衝撃でした!

0402通知の項目は次の5つ

  • 薬剤師以外がやっていい業務の定義
  • やっていい具体的な業務
  • やってはいけないこと(調剤行為)
  • 調剤行為とされないこと
  • 手順書をつくりなさい、研修をやりなさい

となってます。

 

それぞれを解説していきます。

 

1.薬剤師以外がやっていい業務の定義

0402通知の項目1には次のように記載されてます。

1.調剤に最終的な責任を有する薬剤師の指示に基づき、以下のいずれも満たす業務を薬剤師以外のものが実施することは、差し支えないこと。なお、この場合であっても、調剤した薬剤の最終的な確認は、当該薬剤師自ら行う必要があること。

・当該薬剤師の目が現実に届く限度の場所で実施されること

・薬剤師の薬学的知見も踏まえ、処方箋に基づいて調剤した薬剤の品質とうに影響がなく、結果として調剤した薬剤を服用する患者に危害の及ぶことがないこと

・当該業務を行うものが、判断を加える余地に乏しい機械的な作業であること

 

ポイント

調剤に最終的な責任を有する薬剤師の指示 ⇒どんな業務でも最後は薬剤師が確認しろ

まあ当然ですよね。何か不具合があっても責任を取るのは薬剤師ということです。

 

ポイント

薬剤師の目が現実に届く場所 ⇒基本、薬剤師が常駐している調剤室

注射薬が別部屋なら、そこでの取り揃え作業も薬剤師がいる必要があります。

 

ポイント

薬剤師の薬学的知見も踏まえ、処方箋に基づいて~ ⇒処方箋記載内容の確認は薬剤師がやれ

当然です。処方箋監査、疑義照会など処方箋記載内容の判断は薬剤師が必ずやること

 

ポイント

判断を加える余地に乏しい機械的な作業 ⇒ 誰でもできる単純作業

この後の2、3、4で細かいことが出てきますのでそちらで。

とにかくやっていいのは「薬の知識がなくてもできる単純作業」だけですよという定義づけ。

 

2.薬剤師以外がやっていい具体的な業務

0402通知の項目2には次のように記載されてます。

「具体的には」と、書かれているのが大きいです

2.具体的には、調剤に最終的な責任を有する薬剤師の指示に基づき、当該薬剤師の目が届く場所で薬剤師以外の者が行う処方箋に記載された医薬品(PTPシート又はこれに準ずるものにより包装されたままの医薬品)の必要量を取りそろえる行為、及び当該薬剤師以外の者が薬剤師による監査の前に行う一包化した薬剤の数量の確認行為については、上記1に該当するものであること。

 

ポイント

PTPシート又はこれに準ずるものにより包装されたままの医薬品 ⇒ 下で説明

PTP包装それに準ずる包装にあてはまるのは、

  • PTPシート
  • SP包装
  • 湿布薬などの貼り薬
  • 目薬、点鼻薬、吸入薬
  • インスリンなどの自己注射薬
  • 入院患者の注射薬取りそろえ

などなど。

シートから錠剤をとりだす、粉薬をばらして中身を取り出すとかはダメ

ただPTPシートを切って必要な数にする(10錠シートを切って6錠にする)とかは〇

つまり包装されたの状態ならOK

 

ポイント

処方箋に記載された医薬品の必要量を取りそろえる行為 ⇒ いわゆるピッキング作業

 

処方箋にはその薬の1日量、1回量が記載されてます。

1日量、1回量 × 日数、回数

掛け算した数量分、薬を取りそろえるのがOKです。

例)

酸化マグネシウム250㎎錠 2錠(1日量) 1日2回朝夕食後 7日分

1日量の2錠 × 7日分=14錠

ここでは酸化マグネシウム錠を、14錠取りそろえる作業はOKです。

その際にこの患者に酸化マグネシウムが朝夕で良いのか?

この量であっているのか?

そもそも酸化マグネシウムで問題ないのか?

は、薬剤師が判断するので考える必要はありません

 

ポイント

薬剤師以外の者が薬剤師による監査の前に行う一包化した薬剤の数量の確認行為 ⇒ 下で説明

先に説明。

一包化とは、飲むタイミングが合っている錠剤、カプセル剤をシートからだし、一つの包装にまとめることです。

機械のカセットに入っている錠剤は自動にセットされますが、カセットの無い薬は飲むタイミングことに、飲む薬を「トレイ」の1枠ずつ入れる必要があります。

 

さて本題にもどりますが、これはわかりにくい文章です。

以前は薬剤師が一包化対象の薬を取りそろえ、調剤助手さんなどに機械を操作してもらってました。

「調剤助手さんなどに機械操作をしてもらう行為」

これはアウトです。

上記1の「調剤した薬剤を服用する患者に危害が及ぶことがない」「判断を加える余地に乏しい」引っ掛かります

機械に薬の名前、数、飲むタイミング(用法)を入力するのは、患者に危害が及ぶ可能性があります。

 

自動的に機械に処方データが送信される仕様であれば〇です。

しかしその際は「トレイ」を使うときは、「薬剤師が必ずやる」手順書に記載しておかないとアウトです。

 

できる行為としては、

「薬剤師がトレイにセットした錠数を、ダブルチェック担当として確認する」

「半錠の予製剤を薬剤師の指示・確認のもと作成する」

くらいです。

 

この辺は各ブロックの厚生局で判断が割れそうなので気を付けてください

 

3.やってはいけないこと(調剤行為)

0402通知には薬剤師が確認してもダメ、つまりその作業は「調剤行為」と判断されてます。

 

3.「薬剤師以外のものによる調剤行為事案の発生について」(平成27年6月25日付薬食総発 0625 第1号厚生労働省医薬食品局総務課長通知)に基づき、薬剤師以外の者が軟膏剤、水剤、散薬等の医薬品を直接軽量、混合する行為は、たとえ薬剤師による途中の確認行為があったとしても、引き続き、薬剤師法第19条に違反すること。ただし、このことは、調剤機器を積極的に活用した業務の実施を妨げる趣旨ではない。

※上のリンクは、日本病院薬剤師会のホームページ参照です。

この平成27年に薬剤師以外の人が、軟膏調剤、散薬調剤をやっていた某大手調剤薬局があって、大問題になりました

(問題になる経緯がドロドロだったのでそっちの方が話題に・・・)

今回の0402通知のきっかけになる一件ですね。

 

ポイント

軟膏剤、水剤、散剤等の医薬品を直接計量~、引き続き薬剤師法第19条に違反すること ⇒ 「直接の計量」は調剤だから絶対ダメ

計量調剤が、項目1の「調剤した薬剤を服用する患者に危害が及ぶことがない」「判断を加える余地に乏しい機械的な作業」に完全に引っ掛かりますし、まあそもそも薬剤師法違反なのは明らかです。

ただし「直接計量」という言葉が気になります。

それは次のポイントで。

 

ポイント

調剤機器を積極的に活用した業務の実施を妨げる趣旨ではない ⇒ 下で解説します。

この項目3の禁止事項ポイントは「直接計量」はどんなことがあってもダメだよ。でも機械を使うのはいいよ!

 

どういうこと?

これは将来のICT化に向けて規制をしない、つまりドンドンIT化しなさいというメッセージになります。

 

現在、自動散薬計量分包機というもの、自動水薬計量機というものが出てきてます。

これならば、バーコードを読み取って機械が自動的に計量、分包ができます。

つまり項目1の条件を満たすことになります。

 

今後オンライン処方箋、そこから一気に計量は機械へという流れができた時、その単純作業はOKという事をあらかじめ決めてる内容です。

 

0402通知でICT化を進めることが問題ないというのであれば、ICT化が進んだら薬剤師業務はどうなるか?

その点については、「AI化、ICT化で薬剤師がなくなる?本当なの?」で解説してます。

 

4.調剤行為とされないこと

0402通知には次の作業は、調剤行為じゃないと記載してます。

 

4.なお、以下の行為を薬局における適切な管理体制の下に実施することは、調剤に該当しない行為として取り扱って差し支えないこと。

・納品された医薬品を調剤室内の棚に収める行為

・調剤済みの薬剤を患者のお薬カレンダーや院内の配薬カート等へ入れる行為、電子画像を用いてお薬カレンダーを確認する行為

・薬局において調剤に必要な医薬品の在庫がなく、卸売販売業者から取り寄せた場合等に、先に服薬指導等を薬剤師が行った上で、患者の居宅とうに調剤した薬剤を郵送等する行為

 

ポイント

以下の行為を薬局における適切な管理体制の下に実施 ⇒ 項目1の条件下で

項目4、に記載されている行為ですが、項目1の3条件がかかってます。

 

ポイント

納品された医薬品を調剤室内の棚に収める行為 ⇒ 納品作業はOK

たいていの薬局、薬剤部は複数の薬品卸から医薬品を購入してます。

その都度、検品、納品作業が発生します。

その納品作業は薬剤師以外がやっても良いとされます。

 

ポイント

調剤済みの薬剤を患者のお薬カレンダーや院内の配薬カート等へ入れる行為 ⇒ 下で説明します

まずお薬カレンダーというのは、1週間~2週間分の薬を、のむタイイングごとにセットするものです。

配薬カートは病院で使われる、箱状のものです。

出来上がった薬をそれぞれ切り分けて、セットするのは問題ないとなってます。

 

ポイント

電子画像を用いてお薬カレンダーを確認する行為 ⇒ 将来の電子化に備えた文章

 

お薬カレンダーは患者が自宅、療養先で使用されます。

ちゃんと飲めているかどうかの確認は、たいていは本人、家族、介護者からの口頭確認、訪問時に薬剤師が見て確認のパターンが多いです。

将来的にカレンダーの確認を「アプリ等を用いて、カレンダーを画像送信」ということで想定していると思います。

この送られてきた画像を確認し、「○月○日の朝が飲めてません」とか薬剤師に報告する作業はOK、というだと思います。

ここだけ推測で話をしてます。スミマセン。

 

5.手順書を作りなさい。研修をやりなさい。

薬局開設者は、薬局において、上記の考え方を踏まえ薬剤師以外の者に業務を実施させる場合にあっては、保健衛生上支障を生ずるおそれのないよう、組織内統制を確保し法令遵守体制を整備する観点から、当該業務の実施に係る手順書の整備、当該業務を実施する薬剤師以外の者に対する薬事衛生上必要な研修の実施その他の必要な措置を講じること

 

もうこれは、書いてある通りです。

ただ1点重要ポイント

 

注意ポイント

手順書の作成、研修の記録がないと指導をうけます

 

0402通知にはっきりかいてあるので、手順書は確実に厚生局の査察(個別指導及び適時調査)で確認されます。

当然記載内容も確認されます。

そして研修。

「どんな研修をいつやったか」

これが記録に残っていないとダメです。

口頭で「やってますよ」は、役人にはダメです。

必ず記録に残しましょう。

もしやっていない薬局、病院等がありましたら早急に。

 

まとめ:0402通知の目的は

まとめます。

0402通知では次の項目について書かれてました

  • 薬剤師以外がやっていい業務の定義
  • やっていい具体的な業務
  • やってはいけないこと(調剤行為)
  • 調剤行為とされないこと
  • 手順書をつくりなさい、研修をやりなさい

 

これにより、今まであいまいだった薬剤師以外の方ができる仕事がはっきりしました。

 

ただ0402通知の本質的な目的は次の点です。

 

  • 安易にな人件費削減を目的として、薬剤師以外に「薬剤師」の仕事をふるなよ
  • 薬剤師以外ができる仕事はまかせて、薬剤師は患者に対する時間をとれよ
  • IT化をすることは制限しないからドンドンやれよ。その代わり患者に対する時間をとれよ

 

この点については2020年診療報酬改定の内容をみても明らかです。

これにより薬剤師の将来性、方向性がはっきりみえた0402通知だった言えます。

 

では実際、薬剤師の将来はどうなっていくのか?

「AI化、ICT化で薬剤師がなくなる?本当なの?」

で今後予想される薬剤師業務の未来について解説します。

ぜひご覧ください。

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