※このページにはプロモーションが含まれています
薬学部生の人、薬剤師として就職を考えている人には次の疑問があります。
はてな
大手調剤薬局に勤めるメリット、デメリットが知りたいです。
この疑問にお答えします。
この記事の信頼性
薬剤師として働くのは大手薬局がいいのか?
就職を考えると悩みますよね。
働き始めてから気付いて失敗したくないし。
この疑問に対していきなり結論をいうと、
働くメリットが凄く大きいのでいい!
です。
特に新人薬剤師、また働き始めて数年の若手薬剤師はさらにメリットが大きくなります。
もちろん中小規模の調剤薬局の良い点もありますが、それは別記事で。
この記事では大手調剤薬局で働くメリット、デメリットをそれぞれ理由上げて解説します。
大学病院時代の先輩、同期、知人などが大手調剤薬局グループの幹部などにいますので情報はバッチリです。
最後まで読んでいただくと、大手調剤薬局で働くメリット、デメリットがしっかり理解でき、就職活動、将来の進路選択に役立ちます。
大手調剤薬局で働くメリット、デメリットは?
まず大手薬局とはどういう薬局の事を言うのか?
これという明確な定義はありませんが、一般的に店舗数が30以上あり、全国もしくは広域に店舗がある薬局グループの事を指します。
少し古い2016年6月のデータですが、医療介護情報局の「大手調剤薬局チェーン比較指標一覧」に、調剤薬局を30店舗以上経営する企業130社が掲載されてます。
この記事では、このデータをもとに30店舗以上ある薬局を「大手調剤薬局」として話を進めます。
では、大手調剤薬局に働くメリット、デメリットをあげてみると、
【デメリット】
- 仕事が忙しく残業も多い
- 処方内容が濃い
- 転勤、異動が多い
- 会社の運用方針通りに働かされる
- 研修などが多い
- 給料が思ったより少ない
【メリット】
- 研修、教育制度が充実
- 業務の内容が充実してスキルアップがはかれる
- 設備が充実してる
- 福利厚生がいい
- 大きなトラブルでは会社が対応してくれる
- マネジメント能力など薬剤師以外の能力が高まる
- 人間関係の逃げ場がある
- 転職先で重宝される
となります。
この点について詳細に解説していきます。
大手調剤薬局で働くデメリット
ではまず大手調剤薬局で働くデメリットについて解説します。
このデメリットは、就職するうえでしっかり理解してください。
仕事が忙しく残業も多い
大手調剤薬局はとにかく仕事が忙しい。
なぜならば、大手調剤薬局は大病院の前、人気の病院のそばに出店することが多いからです。
「企業」なので「売り上げ」を上げるためには、処方箋枚数が多い地域に出店するのは同然ですね。
そのためえらい数の処方箋がやってきますので、仕事量がハンパないです。
そして「定時に上がれるか?」というとそんなことはない。
業務時間内に書ききれなかった薬歴作成。
訪問診療をしているのであれば、その準備など。
業務量が多いので定時上りはなかなか難しいです。
※実は大病院のそばの薬局って午後の業務量が控えめなところが結構あります。
大病院って午前診療っていうのが多いですからね。
そのため業務時間終わり付近は、閑散とし、意外と定時内に仕事を終えることも。
処方内容が濃い
大病院って患者も難しい症例の患者が多い為、処方内容が濃い事が多いです。
私も大学病院時代、小児科で20剤以上の散薬処方、錠剤・カプセル粉砕処方などを調剤していたときに、1時間以上かかることもありました。
その患者が医薬分業の強化により、院外薬局へ・・・
大変ですね。
もちろん調剤内容が濃いだけでなく、最近は経口抗がん剤の種類も増えてきているため、状況に応じては、プロトコルの把握、検査値の把握のなど処方内容自体も濃くなってきてます。
つまり高いレベルでの疑義照会も必要とされてます。
※単科クリニック、専門病院などでは処方内容が決まったパターンが多い為、そこまで内容が濃い事はありません。
結構単純作業で一日を終えることも
転勤、異動が多い
これは凄く多いです。
2~3年、長くてもたいてい5年以内に異動はあります。
早いと1年以下も。
全国展開している調剤薬局では、県またぎの異動も当然あります。
引っ越しにかかる費用等は会社負担してくれますが全額とまでは・・・
※転勤、異動が少ない、同一市内のみとか条件を付けることは可能ですが、出世するのは厳しくなります。
この点は別記事で
会社の方針通りに働かされる
大手調剤薬局は業務手順、運用に関しては方針が決まってます。
店舗ごとでマイナールールはあるかもしれませんが、ブロック単位、会社の上層部で決まっていることが多いです。
そのため、「あれ?この運用変じゃない?」と思って意見しても、余程のエビデンスがない限り運用変更は行われません。
とくに新人若手薬剤師の意見が通ることは少ないです。
そのため仕事内容などは会社の運用方針通りに。
組織が大きくなるとやはり柔軟性は無くなりますね。
研修などが多い
社内研修は多いですね。
新薬勉強会や症例報告など。
学会発表も多く、日本調剤、ツルハグループなど大手調剤薬局の発表はよく見ます。
研修は土日など時間外に行われることが多く、休日がつぶれます。
学会発表の準備は当然時間外。
残業代がでるかは・・・会社によります。
給料が思ったより少ない
これは薬局によって異なりますが、大手調剤薬局は中小の薬局より給与が低めに抑えられてることが多いです。
理由としては、
- 職員数が多いので、利益分配するとパイは小さくなる。
- 給与が低めでも毎年安定して新人薬剤師が確保できるから
- 設備投資、新店舗設立などに費用がかかるため
ただそれでも病院勤めよりは給与はいいのでご安心ください。
大手調剤薬局で働くメリット
ここまでは大手調剤薬局で働くデメリットについて説明してきました。
どうでしょう。
大手調剤薬局で働くのに不安を感じている人が多いと思いませんか?
私もここまでの説明では「大手調剤薬局で働くのはこわいな」と思ってしまいます。
しかしここから「大手調剤薬局で働くメリットは凄く大きい」といった根拠を説明していきます。
研修、教育制度が充実
間違いなく教育制度、研修制度は充実してます。
新人教育はすでにカリキュラム化、マニュアル化されているケースがほとんどで、スケジュールにそった教育が行われていきます。
また、つまづいた時、疑問に感じている時のフォロー、サポート担当の薬剤師がいることで、安心して働けます。
また新人薬剤師以外にも卒後2、3年目の若手薬剤師に関する研修、主任、管理薬剤師、店長とステップアップするために必要な研修が非常に充実してます。
やはり薬剤師として働くうえでは、教育、研修面の充実はやはり最大のメリットと言えます。
業務の内容が充実してスキルアップがはかれる
先ほどデメリットで「処方の内容が濃いから大変」と言いましたが、この濃い処方内容が薬剤師としての実力を大幅に上げます。
様々な処方から学ぶこともありますし、勉強することも多い。
患者も多いので、服薬指導のパターンも様々。
また最近は在宅医療などにも力が入っているので、注射薬の調製
など調剤以外の業務も多く、スキルアップにつながります。
設備が充実している
大手は設備投資が充実してます。
最新の調剤機器はもちろん、薬歴作成システム、レセプト管理システムなどのソフト面も充実してます。
アレルギーチェックや相互作用チェックシステムなどリスクマネジメントのソフトも導入されてることが多く、経験が少ない薬剤師でも患者さんに不利益を与える可能性を、システムで軽減してます。
この点は働く際の安心面になってますね。
もちろんシステムに頼り切るのはダメですけど。
福利厚生がいい
働く人数が多いという事は、調整の上夏休みなどがしっかりまとめて取れやすい。
産休育休などの特別休暇もしっかり整備されています(企業だからね)
また子供も発熱や自身の体調不良等、急な都合による休みにも、多店舗からのヘルプ薬剤師が来るなど、柔軟に対応できます。
人数が少ない薬局ではこうはいきません。
この点は特に助かっている人は多いのではないでしょうか?
さらに認定資格などの研修費用などの負担もしてくれるところが
多いです。
認定、研修費用もばかになりませんからね。
このように福利厚生面は大手が圧倒的にいいです。
大きなトラブルでは会社が対応してくれる
薬剤師として仕事をするうえであってはいけないのが、調剤ミス。
もちろん最大限に注意はしてますが、人がやることですので、ミスは必ず起こります。
錠剤の入れ忘れや数間違えなどの軽微なものでしたら、その場で対応しますが、入院など損害賠償を伴うような大きな調剤事故などの場合は、会社の担当部署が対応することが多いです。
もちろん我々薬剤師は調剤事故に備えて、薬剤師会などの保険に入ることは多いのですが、実際の損害賠償などは会社で入っている保険で対応することが多いです。
この面も安心です。
※ただし調剤事故による罰金刑の罰金は個人負担になります。
マネジメント能力など薬剤師以外の能力が高まる
例えば後輩に対して教育を行う立場になった時に、進捗状況を管理する。
薬局での薬の仕入れ数や在庫の管理。
売り上げを向上させるための業務計画。
スタッフの勤務シフト、業務内容の管理
など、薬局を運営していく上で、必要な能力を大手調剤薬局では研修などを通じて高めることができます。
実は薬剤師として出世し、給料を上げていくには、この「マネジメント能力」が非常に重要です。
薬剤師としての能力が高いのも重要ではありますが、上に立つ人間になるには、マネジメント能力、調整能力が高い方が重宝されます。
その他としては、データ作成能力、それを評価する能力など、薬剤師以外の業務、研修で身につくスキルは非常に多いです。
この点は中小規模の薬局ですと身につきにくいところです。
人間関係の逃げ場がある
「先輩とのウマが合わない」、「上司と上手くやっていけない」など人間関係のトラブル。
これは薬局の規模に関わらずありますし、もちろん病院にもあります。
しかし大人数の職場では、逃げ場があります。
大人数の職場では、その人とウマが合わなくても、避けたり、かかわりを減らしても仕事を行う事ができます。
また、転職、異動が多い為、その嫌な人が他店舗に行く可能性も、自分が他店舗にうつる可能性もあり、数年のガマンで離れることができます。
さらに同期入職や、気心しれた先輩などに愚痴を言ったり相談できたり。
人間関係がつらくても何とか避けたり、和らげたりできる方法があります。
これが少人数の小さい職場だと、いやでも毎日顔を合わせなくてはいかず、転勤などもない為、苦しい毎日待ってます。
逃げ場があるというのは、大規模の職場ならではです。
次の転職先で重宝される
もうこれは理由がお分かりだと思いますが、
- しっかりした研修、教育を受けている
- 幅広い処方を経験し薬剤師としての知識が高い
- マネジメント能力も身についている
このように大手のノウハウを身についている人は、中小規模の薬局にとっては即戦力でかつ業務拡大、収益上昇にもつながる可能性もあるため、凄く重宝されます。
スタート時の待遇もよく、管理薬剤師などの役職付きでスタートという事も。
当然大手調剤薬局で働いていた時よりも給料は上がります。
※デメリットでも書きましたが、大手調剤薬局は給与が抑えられていることもあり、転職すればたいてい給与アップはのぞめます。
転職については別に書きますが、「転職すると給与アップが可能」という広告は、この実態が分かっていれば、当然の事と言えます。
まとめ:大手調剤薬局できつい事も多いけど、働くメリットは大きい
まとめます。
大手調剤薬局で働くメリットデメリットについて、
【デメリット】
- 仕事が忙しく残業も多い
- 処方内容が濃い
- 転勤、異動が多い
- 会社の運用方針通りに働かされる
- 研修などが多い
- 給料が思ったより少ない
【メリット】
- 研修、教育制度が充実
- 業務の内容が充実してスキルアップがはかれる
- 設備が充実してる
- 福利厚生がいい
- 大きなトラブルでは会社が対応してくれる
- マネジメント能力など薬剤師以外の能力が高まる
- 人間関係の逃げ場がある
- 転職先で重宝される
を上げて解説しました。
大手調剤薬局は研修、教育がしっかりしてますが、そのため勉強することも多く、また業務内容も濃いため大変です。
しかしその分薬剤師としてのスキルは大きく向上し、薬剤師以外の能力も高まるため、そのまま大手調剤薬局で働き続けても良いし、転職する場合でもそのスキルは十分に生かされます。
また福利厚生などの待遇も充実してます。
これらメリット、デメリットを考えた時、やはり薬剤師として経験値を大きく積むには大手調剤薬局で働くメリットは凄くあります。
この記事を参考にしていただき、ぜひ就職時の選択、転職の選択にお役立てください。
なお中小規模調剤薬局のメリット、デメリットなどの記事は、
薬剤師が働くなら中小調剤薬局がいい?【メリット・デメリット】
でまとめましたので、あわせてお読みください。
【薬剤師限定キャンペーン】
m3.comでは、新規会員登録すると、もれなく最大3,500円分のポイントがもらえるキャンペーンを実施中!
貯まったポイントはAmazonギフトなどに交換可能!
m3.comは業界最大手の医療情報サイトで東証プライム市場上場企業。
薬剤師会員数は約21万人、日本の薬剤師数32万人なので薬剤師の3分の2の人が登録する役立つサイト!
入会費、年会費は無料で登録すると次の特典が!
|
新規会員登録で最大3,500円分のポイントキャンペーンは期間限定!
この機会をお見逃しなく!
\スマホで簡単1分で無料登録/