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ある程度こなしたので、次は何をやれば良いですか?
はてな
もっと薬剤師として成長する勉強方法を教えてほしい。
この疑問を解決します。
この記事の信頼性
毎日1つで差がつく! 新人薬剤師の勉強方法 初級編で「処方解析」のやり方を説明しました。
もし取り組まれてないのであれば、そちらから実践してください。
この記事では処方解析がすでにサクサクできるようになった新人薬剤師が、より高いレベルの薬剤師になれるための勉強方法です。
なぜなら私が大学病院時代に、病棟担当薬剤師に必ず教えた勉強方法で、病棟薬剤業務のみならず、医療情報業務(DI)でも十分通用する勉強方法です。
最後まで読んで実践してもらえば、他の新人薬剤師のみならず先輩薬剤師にも差をつけられる内容となってます。
圧倒的に差がつく!新人薬剤師の勉強方法 上級編
ここから説明する上級編は、初級編の「処方解析」が十分理解、実践してきたことを前提に説明します。
焦らず初級編を勉強してから実践してください。
上級編の項目は、
- 同効薬の比較を行う
- 質問を想定する
となってます。
では一緒にがんばりましょう!
同効薬との比較
初級編では処方箋に書かれていた薬のみを解析してました。
最初のうちはそれだけで問題ありませんが、慣れたら他の同効薬はどうなのか?と発展させます。
流れとしては
- 同効薬を調べる
- それぞれの特徴を把握する
- 処方箋監査のポイントをイメージする
になります。
下の処方例から今回は経口抗凝固薬で話を進めます。
処方例)非弁膜性心房細動、脳梗塞
身長:160cm 体重:52kg Cre:1.01 mg/dL
同効薬を調べる
処方で出されているのは、リクシアナ(エドキザバン)です。
他の経口抗凝固治療薬としては何があるか?
ビタミンK拮抗薬のワルファリン、直接経口抗凝固薬(direct oral anticoagulants : DOAC)のリクシアナ、イグザレルト(リバーロキサバン)、エリキュース(アピキサバン)、プラザキサ(ダビガトラン)。
で、それぞれの用法用量をまとめる。
ここは横着して効率よくまとまっているのを参考にしましょう。
ちなみに
ワルファリンの投与量は心房細動の場合、INRが1.6~2.6 ( なるべく2に近くする)の範囲で収まるように投与量を調整します。
年齢は特に関係ありません。
エドキサバンはCCrが低かったり、出血のリスクが高い患者には15㎎1日1回に減量する方法もあります。
自分でまとめるのも良いですが、ガイドラインや「病気とくすり」、「治療薬マニュアル」などの冊子でまとまっているのであれば、それを有効活用した方が、手っ取り早いです。
余談ですが「できる薬品情報取集方法」で別にまとめますが、とっさの時に頼れる情報がどこにあるかを把握しておき、すみやかに回答ができると「できる薬剤師」になります。
それぞれの特徴を把握する
用法用量をまとめたら、次はもう少し掘り下げて各薬剤の特徴を把握します。
減量基準はどうなっているのか?
相互作用はどうなのか?
剤形はどうなのか?
薬価はどうか?
などなど箇条書きで良いのでまとめます。
〇プラザキサ(ダビガトラン)
- 1日薬価:551.6円
- 吸湿性が高い1号カプセル剤。一包化不可、大きくて飲みにくい
- 中和剤がある(イダルシズマブ)
- 併用禁忌イトラコナゾール
- ベラパミルと併用させる時は、併用開始3日間はベラパミル内服の2時間以上前にプラザキサを服用すること
- アミオダロン、タクロリムスなどのP-糖蛋白阻害剤(経口剤)と併用する際は1回110㎎に減量を考える
- 減量基準 上のガイドライン項目参照
などなど
このように1剤1剤をまとめていきます。
そうするとワルファリンは薬価が安い、コントロールが必要、食事の影響を受ける。
イグザレルトは散薬がある、CCr以外投与量を考慮する条件が少ない、などの特徴がわかります。
その際に添付文書を丸写しするのではなく、自分で解釈できるようにまとめるのがポイント!
※おまけ
ここまででも十分ですが、さらにセンスがあるまとめ。
今回のDOACの場合、腎機能の低下が禁忌の条件になってます。
「あれ?じゃあ透析はどうだ?」
と薬の特徴を比較して、さらに踏み込んで考えられると良いですね!
CCr値が15以下の透析未実施の患者には、ワルファリンしか使えないということがわかります。
透析患者ではDOACは禁忌。ワルファリンは原則禁忌ですが、症例によっては使用する場合もあります。
処方箋監査のポイントをイメージする
最後は処方箋監査のポイントをイメージする。
DOACの場合は、
用法用量は?
患者の年齢は?
CCrは?
体重は?
というような確認ポイントになると思います。
ここまでまとめてあれば、確認ポイントは想像つくでしょう。
ぜひ実践してください。
質問を想定する
実は「質問を想定する」
が、キモです!
ここでいう「質問」は患者からの質問です。
では今回DOACで患者からどのような質問が想定されるでしょうか?
薬剤師が窓口で患者に用法、用量、ワルファリンの場合は食事の影響の説明、出血しやすいから日常生活の注意点などを説明します。
患者からはその説明に対して、質問してきます。
この点は予想できると思います。
回答はここまで調べ上げた中にありますね。
そのほかワルファリンからDOACの切り替えの場合、会計が大きく増えるので、支払いに対する質問が良くあります。
例)30日処方でワルファリン1㎎1日2錠から、プラザキサ1回150㎎×2回に変更した場合の支払い金額の差
ワルファリン1mg2錠=19.6円 × 30日 =588円
3割負担 588円×0.3=177円
プラザキサ75㎎×2Cap×2回=551.6円 ×30日 =16,548円
3割負担 16,548円×0.3=4965円
まあビックリしますね。
「どういう理由でプラザキサに切り替わったのか?」「医師からどういう説明をうけたのか?」などしっかり聞き取って、有効性の説明をし、納得してもらう必要があります。
後は抜歯、手術の時はどうするのか?という質問。
この質問も多いです。
こちらもガイドラインに載ってます。
患者ごとにリスクがことなるため、基本的に内服継続の判断は主治医の判断になります。
ただ休薬基準を把握しておくと、他の診療科の病棟担当の時に役たちます。
例えば、呼吸器内科担当の時、気管支鏡下生検目的で入院してきた人がDOACを飲んでいた時、主治医にリスクを伝えられるなど。
ちなみに抗凝固薬の手術前休薬期間は、病院毎にルールが決められていることが多いので、あらかじめ所属先で確認しておくと良いです。
参考)抗血小板薬・抗凝固薬 手術前休薬期間の目安:国立病院機構東京病院薬剤部
他にもまだあると思います。
その先はぜひ考えてみてください。
なお実際に説明している時に、想定以外の質問が来た場合は調べる時間をもらって回答しましょう。
その時の質問、回答内容は後でしっかり知識に加えていきましょうね。
まとめ:この勉強方法を続ければ、圧倒的に差がつけられます!
ではまとめます。
新人薬剤師の勉強方法 上級編として
- 同効薬の比較を行う
- 質問を想定する
をあげ、「同効薬の比較」のやり方として、
- 同効薬を調べる
- それぞれの特徴を把握する
- 処方箋監査のポイントをイメージする
を紹介しました。
はっきり言います!
新人薬剤師でここまで深く勉強できてる人はほとんどいません。
新人薬剤師どころか2~3年目の薬剤師、それ以上の薬剤師でもそこまで深く勉強してない人が多いです。
もちろん今回とりあげたDOACに関しても、循環器病棟担当の薬剤師から見ればまだまだ足りない知識でしょう。
「ワルファリンからリクシアナへの切り替え時の投与タイミング」はなどなどまだまだ勉強項目は多いです。
ただまず一つの形として、この上級編どおり他の薬剤についても勉強していけば、圧倒的に勉強していない薬剤師に差をつけることができます。
大変だと思いますが、ぜひ取り組んで薬剤師としてガンガン成長してください。
なお、デキる薬剤師を目指している方にむけて、学校では教えてくれない薬剤師に必要なスキルについて
でまとめてます。
あわせてごらんください。
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