大学選択の参考に

薬学部の偏差値が低い、高いでメリット・デメリットは?

2020年12月20日

偏差値が低い薬学部

 

偏差値が高い薬学部、低い薬学部で違いがありますか?
偏差値が低い薬学部進むとどんなデメリットがありますか?

 

薬学部に進学している人、これから薬学部を目指す人は、次の疑問があります。

 

はてな

薬学部の偏差値が低い、高いで何が違うのか?

偏差値が低い薬学部に進学すると、どんなデメリットがあるのか?

この疑問にお答えします。

 

この記事の信頼性

だだの
薬剤部長

薬剤師歴20年目!(2021年時点)

大学病院薬剤部13年勤務

現在は、民間病院の薬剤部長をやってます。

部長歴6年

大学病院時代のつながりから、大学の教授、教員に、友人、知人が多数います

プロフィール

 

全国私立大学薬学部偏差値ランキングでも紹介しましたが、全国に薬学部は多数あり偏差値にも大きな差があります。

そうなると気になるのが、

「偏差値が高い薬学部に進んだ場合と偏差値が低い薬学部に進学した場合とのような違いがあるのか?」

「偏差値が低い薬学部に進んでも問題ないのか?」

 

この点については進路選択するうえで非常に気になるところ

 

結論から言います

  • 偏差値が高い大学の方がメリットが大きく、低い大学のメリットは小さい
  • どの大学に進むにしろ、自身が高い偏差値であることはメリットが大きい

 

「やっぱり偏差値が高い方が有利なんだ」と、思ったことでしょう。

しかし偏差値の高い薬学部でもデメリットはあります

 

今回、偏差値が高い薬学部、低い薬学部それぞれのメリット、デメリットをあげて説明します。

最後まで読んでいただくと、薬学部の偏差値の違いによる影響が理解でき進路選択に役立ちます

 

薬学部偏差値の低い、高いでのメリット、デメリットは?

偏差値が低い薬学部

全国私立大学薬学部偏差値ランキングで紹介している偏差値の高い学校、低い学校は

【偏差値上位】

  • 慶應義塾大学:68
  • 東京理科大学:65
  • 北里大学:62
  • 星薬科大学:61
  • 近畿大学:61
  • 立命館大学:61

【偏差値下位】

  • 青森大学:41
  • 北陸大学:42
  • 千葉科学大学:42
  • 奥羽大学:42
  • 医療創生大学:42
  • 徳島文理大学:42

となってます。

 

トップの慶應大学と青森大学との差は27

慶應を除いたとしても上位校と下位校との偏差値の差は20弱あります

なかなか激しいです。

 

しかしこれだけ差があるにも関わらず、薬学部に進学して目指す先は、

「薬剤師国家試験合格」

「薬剤師になる」

です(研究職、MR就職なら取らない人も当然いますが)。

 

この最大目標に向けて、偏差値が低い薬学部、高い薬学部に進学するとどんなメリット・デメリットがあるのか

バッチリ解説します。

 

偏差値が低い薬学部に進学したときのデメリット

偏差値が低い薬学部に進学した場合のデメリットは次の点

  • 授業についていけない(偏差値相応で入学の場合}
  • 留年が当たり前の雰囲気に流される
  • 進級、国家試験合格に向けて課題、補習が多すぎ
  • 就職時に苦労する

それは解説します。

 

授業についていけない(偏差値相応で入学の場合)

大学によって偏差値に違いがあっても、薬剤師になるための基本的なカリキュラムは同じです。

従ってどんな偏差値の薬学部でも最低限度の授業内容は同じです。

その最低限度が偏差値が低い学生にとっては、難しく大変

また科目数も多くあり、その分単位取得の試験も多くありもう大変。

 

参考例)徳島文理大学薬学部薬学科

徳島文理大学薬学部

徳島文理大学薬学部の2年生後期の時間割です。

ほぼ毎日9時から18時の授業(実習がない週、期間もある)。

 

そして実習を除いた授業数が15コマ。

これがほぼ全科目で試験があります。

ですから偏差値が低い薬学部に、偏差値相応で入学すると苦労します

 

もう一つ参考に千葉科学大学の授業カリキュラムも載せときますので、その科目数の多さを実感してください。

参考)千葉科学大学授業カリキュラム

 

留年が当たり前の雰囲気に流される

授業が大変でついていけない

高校時代から毎日コツコツ勉強する習慣がない

そんな学生が偏差値が低い大学には多くいます。

 

そのため

「単位は2年がかりでとればいいよ」

「うちの大学は留年が当たり前だからね」

と、そんな雰囲気があります。

 

実際

薬学部は留年が多いって本当?私立大学薬学部の留年率一覧【最新版】

で記載してますが、留年率が高い薬学部偏差値が低い薬学部が多いです。

 

この「留年してもいいんだ」という雰囲気に流されないことが重要です。

 

留年しないための方法を

薬学部で留年回避の秘策!必ず使える12の極意を伝授!

でまとめてます。

 

進級、国家試験合格に向けて課題、補習が多すぎ

留年する学生が多いからといって、大学側もただ黙ってみているわけではありません。

近年薬学部の留年する学生が多いことは、文科省内でも問題となってます

 

そのため大学側も進級、薬剤師国家試験合格のためにすごく力を入れてます

その結果が、授業・補習、課題の多さにつながってます。

 

夏休み、冬休みも補習、課題で学校に行くっていう事も多々あります

これは偏差値が低い学校だけでなく、中堅校もありますね。

 

就職時に苦労する

研究職、企業、病院薬剤師の就職では、偏差値の高い大学より苦戦します。

その理由は、

研究職、企業就職ではその大学が持っているコネクション、研究実績

病院薬剤師では、求人数の少なさが影響してます。

詳しくは

薬学部の偏差値が薬剤師の就職に影響する?

で紹介してます。

 

私の頃の4年時代では研究職に進みたい人は、大学院に進んで修士をとることでカバーし、進むことができました。

今は大学院にいくなら6年+4年の博士課程なので、なかなか厳しいですね。

 

ただ注意していただきたい点は、「就職が難しい」ということではなく、業種によっては「就職が難しい」という事です。

就職率に関しては偏差値が低い薬学部でも95%以上です。

 

偏差値が低い薬学部に進学したときのメリット

偏差値が低い薬学部に進学した場合のデメリットで、圧倒されてしまったかもしれませんが、メリットももちろんあります

  • 授業内容が厳しくない(偏差値が高い状態で入学した時}
  • 特待生、奨学生が狙える(偏差値が高い状態で入学した時}
  • 実験、実習がそこまで厳しくない
  • ガッツリ国家試験対策が行われる

それは解説します。

 

授業内容が厳しくない(偏差値が高い状態で入学した時}

これは前提条件があります。

自身の偏差値が高いのに低い大学に進学した場合です(すべり止めなど)。

 

偏差値相応の学生に対して行われる授業は、偏差値が高い人にとっては、ある程度余裕をもって聞けて理解できます。

また勉強する方法を高校時代に身に着けていることもあり、講義のポイント、学習のポイントを把握できてます

そのため進級等で苦労することは少なくなります

 

もちろん薬学部の授業は難しいことは難しいのですが・・・

 

特待生・奨学生が狙える(偏差値が高い状態で入学した時}

これも同条件ですが、周りの学生に比べて偏差値が高い、成績が良い場合は、特待生・奨学生が狙えます

 

私立大学薬学部の学費はおおよそ1,200万円以上かかりますが、特待生・奨学生になれれば、国立大学並みの学費で済むことがあります。

偏差値が高い大学で特待生を狙うなら、かなり至難の業ですが、偏差値が低い大学であれば狙うことも可能です。

 

詳細は

【知らなきゃ損】私立大学薬学部の特待生おススメ10校 (2020年版)

もしくは

【全国版】薬学部薬学科データリスト

で各大学の特待生・奨学生のデータをご覧ください。

 

実験、実習がそこまで厳しくない

大学の学生を集めるためには、薬剤師国家試験の合格率が高いことがウリとなります。

したがって、実験、実習よりは授業、補講、演習など机上のお勉強がメインとなってきます。

卒業研究、卒業論文なども緩い、もしくはあってないようなものです。

 

もちろん病院・薬局実習の実務実習はありますし、事前試験のCBT、OSCEは偏差値に関わらず基準は統一なので大変ではあります。

 

しかしそれでも偏差値が高い大学に比べれはラクですし、実習では余程の事がない限り単位を落とすことは・・・

 

薬剤師国家試験合格が第一なので、ガッツリ国家試験対策が行われる

さきほどの「実験、実習が厳しくない」とかぶりますが、大学の経営としては、薬剤師国家試験合格率を高めることが生徒集めの有力な材料となります。

 

特に偏差値の低い大学にとっては、薬剤師国家試験合格率は重要で、そのために6年生になるとガッツリ国家試験対策が行われます。

 

第105回薬剤師国家試験を例にすると、

千葉科学大学6年間ストレートで薬剤師国家試験に合格する確率は26.1%ですが。6年間ストレートで卒業できた学生の国家試験の合格率は97.3%となります。

同様に医療創生大学6年間ストレートで薬剤師国家試験に合格する確率は27.7%ですが。6年間ストレートで卒業できた学生の国家試験の合格率はなんと100%です。

※6年間留年なしの合格率は?薬剤師国家試験合格率ランキング 2020年版

 

このように留年する可能性は高いですが、国家試験対策は徹底的に行われることにより、結果的に現役の薬剤師国家試験合格率は上がってます

あくまでも結果的にですが・・・

薬剤師国家試験合格率の謎!薬剤部長が真の合格率を徹底解説

にくわしくカラクリを書いてます。

 

偏差値が高い薬学部に進学したときのデメリット

続きまして偏差値が高い薬学部に進学した場合のデメリットは次の通りです。

  • 授業内容のレベルが高くてついていくのが大変
  • 周りの学生のレベルが高くて気後れしてしまう
  • 実験、実習が厳しい
  • 卒業研究、卒業論文が厳しい

それは解説します。

 

授業内容のレベルが高くてついていくのが大変

薬剤師になるための基本的なカリキュラムは、偏差値に関係なく同じと先ほど言いました。

しかし偏差値が高い大学では基本的な部分からのプラスアルファが大変

 

これは6年間でしっかり研究もできる薬剤師を養成する意図があるからです。

また授業を受け持つ教授、講師陣のレベルも高いため、授業、単位取得のテストが難しい

一生懸命勉強しないとついていくのが大変です。

 

周りの学生のレベルが高くて気後れしてしまう

「授業についていけない」、「大変だ」と思っているのに、周りが余裕でこなしている

これは焦ります。

結果気後れしてしまい、挫折してしまうおそれがあります。

 

こういう挫折感が偏差値が高い学校で、留年してしまう要因のひとつとなってます。

 

実験、実習が厳しい

これも研究ができる薬剤師を養成するという方針からきてます。

実験・実習が大変で、終わるのが18時以降という事もあります。

また実習レポート作成も厳しいので、家に帰ってからも大変

 

卒業研究・卒業論文が大変

5年生になると研究室配属があります。

そして2年間、卒業研究、卒業論文作成となるのですが、これが非常に大変

配属した研究室によっては、日またぎもっていうくらい大変。

 

特に国立大学などは、卒業研究が重要視され薬剤師国家試験の勉強の時間がなかなかとりにくい事も。

まあ「研究をやっても、国家試験の勉強はちゃんとしてるよね」って考えでしょうけど。

年末年始から国家試験勉強を始めたっていうツワモノもたくさんいます。

 

偏差値が高い薬学部に進学したときのメリット

最後に偏差値が高い薬学部に進学した時のメリットです。

 

  • 周りに優秀な学生が多いのでいろいろ頼れる
  • 6年間ストレートで薬剤師になれる割合が高い
  • 薬剤師になったあと、学習する方法が身についてる
  • 企業、就職先にコネクションがある
  • 就職の選択肢が多い

それは解説します。

 

周りに優秀な学生が多いのでいろいろ頼れる

デメリットで「周りの優秀な学生に気後れしてしまう」と説明しました。

しかし周りに優秀な学生が多いのであれば、頼ればいいのです。

またクラブ活動の先輩も非常に頼れます。

 

授業内容がわからなければ教わる。

一緒にテスト勉強をする。

などなど

いろいろ頼ることで苦しみながらついていくことができます

気後れして「自分はダメだ」とあきらめないでください。

 

定期試験等の乗り越え方は別記事で。

 

6年間ストレートで薬剤師になれる割合が高い

6年間留年なしの薬剤師国家試験合格率ランキングでお分かりの通り、偏差値の高い大学ストレートで薬剤師国家試験に合格する確率は高い

 

偏差値が高い学生が集まれば、授業についていく学生が多い為、必然的に留年せず進級、国家試験に合格する確率は上がります。

また「留年が当然だ」ではなく、「進級しなくては」という考え。

この考え方が多い為、授業についていくのに苦しい学生でも、周りの方に教わりながら食らいついていく人が多く、進級率が高まります

 

薬剤師になったあと、学習する方法が身についてる

普段から勉強する方法が身についているという事は、「薬剤師になってからも勉強する」という習慣が身についてます。

したがって就職した後でも学習し、薬剤師としての知識を高めていってます。

 

薬剤師の知識を高めるのは、偏差値の高い低い関係なく必要!

ただ偏差値の高い薬学部出身者は効率よく勉強するほうが身についてます。

その差です。

 

企業、就職先にコネクションがある

特に国公立大学、昭和以前からある伝統校は、企業や病院等にコネクションがあり、その点が就職時に有利に働きます。

 

「就職は実力勝負では?」と、いわれるかもしれませんが、日本の就職文化にはコネクションがどうしても働きます。

例えば製薬企業の試験では、「〇次試験までパス」とか「○○教授の推薦であれば内定を」という事は多々あります。

 

このように偏差値の高い大学にあるコネクションが企業就職等では有利となります。

また同じレベルの学生が就職試験にきた場合は、やはり偏差値の高い大学が優遇されます。

 

就職の選択肢が多い

コネクションでもあげましたが、偏差値の高い大学では製薬企業や大学病院などの就職など、就職の選択肢が多いです。

特に研究職に関しては圧倒的な差が。

 

参考例として東京薬科大学の主な就職先として一部抜粋して紹介。

【病院】

東京薬科大学の就職先

【製薬企業】

偏差値が高いと企業就職に有利

※生命科学部は4年制

参考)東京薬科大学 職業・研究から探す

 

偏差値の低い大学の就職先と比較すると、特に企業就職では大きな差が分かります。

この就職先の選択肢が広いという事が最大のメリットです。

 

まとめ:薬剤師になれば差がないが、偏差値が高い方が有利に働くことが多い

まとめます。

薬学部の偏差値が低い高いで何が違うというテーマで、それぞれメリットデメリットをあげて解説しました。

 

薬剤師国家試験に合格して薬剤師になった後は、出身大学の影響、それによる業務の違いはありません

しかし薬剤師になるまでの過程、新卒就職時には偏差値が高い薬学部が有利です。

 

就職に関する偏差値の影響については、

薬学部の偏差値が薬剤師の就職に影響する?【徹底解説つき】

でまとめてます。

 

また偏差値が低い大学に進む場合でも、それ相応の偏差値で入学するより、より高い偏差値をもって入学したほうが、メリットが大きくなります

 

その「偏差値が高い」メリットを生むためには、やはり高校生での勉強、中学生でしっかり勉強して偏差値の高い高校へ進学する。

これが重要となってきます。

この辺に関しては、別途記事を作成しますので、少々お待ちください。

 

また薬学部はどの偏差値の大学に進んでも、留年する学生の割合が多い学部です。

その留年対策として

薬学部で留年回避の秘策!必ず使える12の極意を伝授!

を作成しております。

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