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ただ、どうやって勉強すればいいですか?
薬をおぼえなきゃいけないし、
何から手を付ければいいのかわかりません。
新人薬剤師の方、薬剤師を目指す方には次の悩みがあります。
はてな
新人薬剤師の勉強方法はどうすればいいですか?
この疑問を解決します!
この記事の信頼性
薬剤師国家試験に合格した皆さん。
合格おめでとうございます!
いよいよ薬剤師としてデビューですね!
ただ勤めてすぐに
「今まで勉強したことが通用しない」
「もっともっと勉強しないといけない」
と感じる事でしょう。
私も薬剤師国家試験を合格し、意気揚々と働き始めましたが、3日でつまづきました・・・
現場とのギャップに、アッというまに自信を無くしました。
ただ「勉強しなきゃいけない」という感覚は誰もが感じますので、ご安心ください。
この記事ではそんな新人薬剤師の皆さんに向けて、同期の薬剤師や他の薬剤師と差をつけるための勉強方法を紹介します。
初級編として今回紹介する勉強方法は、
処方解析
です。
具体的な方法も紹介してますので、最後まで読んで頂ければ、新人薬剤師としての効果的な勉強方法が理解でき薬剤師としての力が身につきます。
また新人薬剤師のスタートのみならず、その先薬剤師として働くための基本習得、業務にも必ず役立ちます。
新人薬剤師で働くと必ず勉強しないといけない事
勤め始めるとすぐに半ば強制的に勉強させられるとこがあります。
それは、
- 採用薬の把握
- 勤め先の調剤ルール
- 勤め先が規定した新人教育
になります。
これらは仕事をするうえで必ず知っておかないといけない事ですし、知らないと仕事になりません。
したがって強制的に勉強させられます。
採用薬の把握
調剤を行っていくうえで、勤め先でどんな薬が採用されて、そしてどの場所に薬があるのかを把握しないと調剤できません。
また少なくても採用薬の用法、用量をおぼえてないと、調剤時に処方箋のあやまりに気づけないので、必ず覚える必要があります。
ただこれは新人薬剤師だけでなく、転職等で新しい職場になった場合も覚えさせられますが・・・
しかし採用薬品は数多くありますし、総合病院などでは1000品目以上という事もあります。
次の方法なら早く調べられるから試してみて。
用法用量などの検索を速やかにできる方法を次に紹介します。
PCサイトで検索する
PCで検索するのであれば、医薬品医療機器総合機構(PMDA)のサイト
が最もおススメです。
医薬品情報の本家本元が運営しているサイトですので、情報更新頻度は早いし、添付文書のPDF版、インタビューフォームのPDF版をダウンロード、印刷ができます。
もうPMDAがインタビューフォームを表示するようになってからは、手元にインタビューフォームは置いてませんね。
スマホで検索する
スマホで医薬品情報を検索するなら、安心処方infoboxがおススメです。
費用は無料。
Android版、iOS版両方ともあります。
処方箋医薬品のみならずOTCの添付文書も検索できます。
また医薬品の副作用の検索だけでなく、副作用の症状から該当薬の検索も可能なので便利です。
私も在宅医療のとき書籍を持ち歩くと重くていやなので、こちらで検索してます。
紹介ページを下に貼っておきます。
参考)安心処方infobox
書籍で検索する
最後は書籍になります。
書籍は王道の2冊。
多くの薬剤師はこの2冊のうちのどちらかを持ってます。
一つ欠点なのは、その本が編集された時点までの発売薬の情報なので、発刊後の新薬の情報がない点です。
ただ仕事中、調剤中にスマホをいじるのは、患者さんから見るとさぼっているようにも見えてしまう。
いちいち調べるのにPCに行かなくてはいけない。
電子媒体版は便利で無料なのでいいですが、やっぱり使い勝手は書籍ですね!
自分の物なら書き込みもできるし、勉強したかのチェックもできますしね。
私は「治療薬マニュアル」派です。
私的には、「今日の治療薬」は薬品の検索がしにくいし、ちょっと読みにくいんですよね。
治療薬マニュアルは500円ほど高いのですが、薬品の情報もそれ以外の薬理作用などの情報も見やすいし、充実していると思います。
ただこの点は好みになりますので、どちらが良いかはお任せします。
ただいずれの本にしても、線を引いただけで満足したり、背表紙の薬効分類シールを貼っただけで満足しないようにしてくださいね!
「初任給も入っていないのに高い本を買うのはちょっと」
という方には、
の記事でお得な情報を紹介してます。
勤め先の調剤ルール
その勤め先ごとで調剤のルール、手順(調剤内規)は違います。
錠剤を束ねる時はこう。
散薬のふけいは○g
半錠の薬があるときはこっちとか。
調剤するうえでの様々な手順が決まってます。
安全かつスムーズに調剤をするために、その職場内で決められたルール、手順ですので、しっかり覚える必要があります。
勤め先が規定した新人教育
昔は「見て覚えろ」っていうよくわからない職人堅気がありました(笑)。
当時はそれが当たり前と思ってましたけど・・・
(私より年上の人わかるよね?)
今は各職場で新人教育がそれなりに充実しているはずです。
各職場で一生懸命作成された新人教育プログラムだと思いますので、最初のうちはそのプログラム通りに教育をうけてください。
もし途中で「あれ?なんかおかしいぞ」と思った時には、先輩や指導担当者に「ここどうすればいいですか?」と質問してください。
たいていの先輩などは優しく教えてくれるでしょうし、「この新人やる気があるな」と評価があがるでしょう。
なお別記事で新人薬剤師が仕事始めに失敗しないポイントについてまとめてあります。
これで差がつく新人薬剤師の勉強方法
ここまで新人薬剤師が必ずやらなきゃいけない勉強、覚えることを紹介しました。
ただここまでの事は新人薬剤師ならだれでもやること。
ここから先が一歩差をつける勉強方法、そう処方解析となります。
処方解析というのは、実際の処方箋の内容を精査する勉強方法です。
処方解析のメリットは次の通り
- 実際の薬の使われ方がわかる
- 主治医の処方意図がわかる
- 患者への説明ポイント、確認ポイントがわかる
同じ薬でもその患者の病態によって、用法、用量、治療目的は変わります。
つまり処方箋全体をみないと実際の投与目的はわかりません。
すると患者に薬の説明をしたときに、
「そんな病気じゃないよ」
とか
「先生からそんな説明をうけてないよ」
といわれたりして患者に不信感を与えてしまいます。
私も最初の頃は説明すると「そんな話は聞いてない!」って怒られたことがありました。
処方解析をしっかり叩き込んだ後は、ほぼなくなってスムーズな服薬指導が行えてます。
次で具体的なやり方を説明します。
いろいろ覚えることが多くて大変でしょうから、簡単にかつ効果的にできる方法を説明していきます。
処方箋の選び方 条件
まず最初に処方箋は次の条件で選びましょう。
- 処方箋に記載されている薬品数が少ないのを選ぶ
- 病気がわかりやすいのを選ぶ
最初から10品目以上記載されている処方箋や、症例が難しそうな処方箋を選ぶ必要はありません。
やり方、コツをつかんで、ある程度枚数こなすまでは、無理しない方がいいです。
他にも覚えることは多いですしね!
処方解析のやり方
では、実際に具体例をあげて。
例)マイコプラズマ肺炎患者
1.実際の処方箋データ(コピー)を用意する
自分がその日調剤した処方箋、その日薬局で受け付けた処方箋から、上の条件にあてはまる処方箋を見つけコピーしましょう。
ただその際は個人情報が把握できない形にしておく。
薬の内容は重大な個人情報なので、くれぐれも取り扱いに注意してください。
コピーがだめならメモしましょう。
調べたことはあとで振り返りやすいように、コピーしたものに直接書くのがおススメですが、別途ノート用意してもかまいません。
やりやすい方法をためしてください。
2.年齢性別、身長体重確認(あったら検査値)を確認
薬の投与量を決める条件になるので把握しておきます。
最初のうちはおおざっぱで構いません。
調剤薬局の場合は検査値が把握できない事も多いので、無理しなくて結構です。
ただ処方箋を監査する立場になると、身体情報、検査値(ある場合)は見落としと患者さんに不利益になってしまう可能性があるので、しっかり確認する癖をつけときましょう。
3.処方内容の確認
処方箋に記載されている薬は、たいてい次のパターンになってます。
- 病気の原因そのものを治療する薬
- 病気によって引き起こされる症状を和らげる薬
- 上記薬でおこる副作用を軽減、予防する薬
ここを把握しておけば、何の意図でそれぞれの薬が処方されたのか分かるようになります。
またさらにやりこんでいくと、「Aという病気とBという病気が関連付けられてこの処方なんだ」ともっと深く処方意図が理解できます。
すると窓口での服薬指導や病棟での薬剤管理指導の場で、注意点をスムーズに効果的に説明できるようになります。
上記の処方例では、
○病気の原因を治療する薬
⇒ジスロマックSR成人用ドライシロップ (原因菌の抗菌作用)
○症状を和らげる薬
⇒アスベリン、カルボシステイン
○副作用軽減
⇒エンテロノンR (ジスロマックで引き起こされる下痢症状の予防、軽減)
と、なります。
4.用法用量の確認
それぞれの治療薬の用法、用量を確認します。
これは先ほど説明しました『採用薬の把握』をご覧いただき、やりやすい方法で。
5.患者に説明するポイントをイメージする
今回の処方では、ジスロマックSR成人用ドライシロップの飲み方が特徴的。
その点を勉強時に調べます。
・飲みかたが「空腹時」
「そっか空腹時なのか~、わかった!」
それじゃダメですよ(笑)
ポイントは「なぜ空腹時なのか?」
ジスロマックSRドライシロップは、食後に飲んでしまうと血中濃度が大きく上昇するため副作用が強く現れます。
だから飲む前後2時間は食事をとらないよう説明する必要があります。
・1回飲んで1週間効果がある
ジスロマックSRドライシロップの製剤上の特徴です。
ここも患者に説明する際のポイント。
どうでしょう?
だんだんと処方意図が分かり、窓口で患者さんに説明するイメージがわいてきませんか?
こうやって「処方内容の確認」、「患者説明のポイント」を考えながら処方解析をおこなうと、実践に役に立つ知識が積み重ねられます。
6.ファイルに閉じる
何を勉強したかを振り返られるようにファイルしておくと良いですね。
以上の一連の流れが、処方解析の方法です。
処方解析のサポート本
ここまで処方解析の方法を説明してきました。
しかし
「処方箋を選ぶのが大変」
「思っていた処方がない」
「いちいち細かく調べるのが大変」
と思われた方もいるでしょう。
覚えることが多いし、疲れもあって大変。
そんな薬剤師の方へ効率よく処方解析の勉強ができるのがこちら。
「病気とくすり」です。
この本は「循環器系」、「呼吸器系」など分別に、疾患の病態生理、疫学、検査などがまとまっていて、「治療」の項目では、その疾患に対する処方例がパターン別に複数記載されてます。
病名から処方解析という流れになりますが、どの病態にどのような処方例があるのかを勉強できるので便利です。
もちろん薬剤からの検索もできるので、
「今日の仕事で調剤したあの薬はどんな処方意図があったのかな?」
と振り返ることもできます。
こちらも病態、処方例を効率よく学び、実力をつけるためには必須の本と言えます。
まとめ:毎日のちょっとした勉強の差がのちのち大きくなる
まとめます。
今回このページではまず最初に
新人薬剤師が働くと必ず勉強しないといけない事
について、
- 採用薬の把握
- 勤め先の調剤ルール
- 勤め先が規定した新人教育
の項目で説明しました。
ここまでは新人薬剤師は誰でも行う事です。
その上で、他の薬剤師との差をつけるための勉強法として
処方解析の方法
について説明しました。
慣れないうちは仕事も大変ですし、覚えることもたくさんあってキツイと思います。
ただそこは新人薬剤師みな同じ
そこからもうひと踏ん張りして、少しずつでもいいので、コツコツと上乗せしていくと、のちのち大きな差になってきます。
最初のうちはつらいでしょうが、長い薬剤師人生、ぜひデキる薬剤師になるために頑張ってください。
また新人薬剤師のみならず薬剤師が勉強、知識を得るのにすごく役に立つ【無料】のサイトを
にまとめてます。
サイト閲覧などでAmazonギフトに交換できるポイントが得られますので、ぜひこちらの記事もお役立てください。
もう「処方解析はサラサラできるぜ!」という、ガンガン勉強できてる人に向けてその先のステップ「圧倒的に差がつく!新人薬剤師の勉強方法 上級編」を準備してます。
新人薬剤師が職場での人間関係のトラブルを回避するためのアドバイスを、「新人薬剤師が仕事始めに失敗しない、簡単なポイント10個」で紹介してますので、気になる方、悩んでいる方はこちらも参考に。
また最後にデキる薬剤師を目指している方にむけて、学校では教えてくれない薬剤師に必要なスキルについて
でまとめてます。
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