【解説】薬剤師免許は申請が必要！申請書の書き方や診断書の注意点を詳しく紹介

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薬剤師国家試験に合格した後の手続きはどうすればいいですか？

薬剤師免許の申請はどのようにすればいいですか？

薬剤師国家試験に合格した人、薬学部を目指す人は、次の悩みがあります。

この疑問、悩みに回答します。

この記事の信頼性

だだの

薬剤師歴は22年目（2023年時点）

某大学病院薬剤部で13年勤務

現在は、民間病院の薬剤部長をやってます

部長歴8年

医療業界に長くいるので、裏事情までしっかり把握してます。

プロフィール

薬剤師国家試験に合格された皆様おめでとうございます！

これで晴れて薬剤師と働けると思いでしょうが、忘れずにやらなければならない事があります。

それは、

です。

薬剤師国家試験に合格しただけでは薬剤師として働くことはできず、厚生労働省で管理する薬剤師名簿に登録されなければ、薬剤師とはなりません。

薬剤師免許申請は、厚生労働省の「薬剤師免許の申請手続き等について」のページに方法が載っているので、そちらに従えばいいのですが、意外と注意点が分かりにくい。

私も当時、申請に手間取って困ったことがあります。

この記事では薬剤師国家試験に合格したあとの薬剤師免許証の申請方法などについて、わかりやすく説明してます。

最後までお読みいただければ、薬剤師免許証の申請をスムーズに行うのに役立ちます。

薬剤師国家試験の合格発表から免許交付までの流れ

では薬剤師国家試験の合格発表から薬剤師免許証が交付されるまでの流れです。

薬剤師免許の申請から自分の手元に届くまで約4ヶ月かかります。

ではそれぞれの項目での注意点を説明します。

１：薬剤師国家試験合格発表

令和6年3月19日に第109回薬剤師国家試験の合格発表されます。

こちらの厚生労働省の国家試験合格発表から、薬剤師国家試験合格発表(速報)へ進み、確認してください。

受験地ごとに合格番号は分かれてます。

※合格発表直後はアクセスが集中するので繋がりにくくなります。

※合否についての問い合わせ、受験番号の照会などについては厚生労働省では一切応じません。

２：厚生労働省から合格証書(ハガキ）の発送・本人への到着

薬剤師国家試験合格発表日に厚生労働省から合格証書が、ハガキで発送されます。

到着までには2日～1週間程度かかります。

注意点

合格したのに合格証書が届かない場合はどうすればいいですか？

合格発表日から2週間以上経過しても合格証書が届かない場合は、厚生労働省へ電話で問い合わせてください。

その際は必ず受験者本人が電話してください。

引っ越した場合どうすればいいですか？

就職などで引っ越して、薬剤師国家試験の出願時と住所が変わっている人は、必ず郵便局で転居届の手続きを行い、郵便物が転居先へ転送されるようにしてください。

手続きを怠ると、宛先不明で合格証書のハガキが戻る恐れがあります。

なお転送の場合は、到着まで若干時間がかかります。

でも2週間以上かかる場合は、厚生労働省へ確認。

合格証書は絶対になくさないこと！

合格証書は薬剤師免許申請時に必要となります。

ですから絶対に無くさないようにしてください。

引っ越しなどでバタバタするかもしれませんが、くれぐれも管理に注意を。

※合格証書の左上の数字「第○○○号」は、のちほど説明する申請書類に記載します。

もし万が一なくしてしまったらどうすればいいですか？

なくしてしまったり、ひどく汚してしまったりした場合は、下記から再交付の申請を行ってください。

(薬剤師国家試験合格証書再交付申請書｜厚生労働省)

なお、再交付申請の際には2,500円の収入印紙が必要です。

また収入印紙には消印をしないでください。

無効になります。

手続きの申請は、お住まいの地域の保健所等に申請して下さい。

(引用：薬剤師法施行規則｜厚生労働省)

３：薬剤師免許の申請

薬剤師免許申請に必要な書類は次の4点です。

１、２、４に関しては大学から配布されている可能性があります。

※令和2年までの申請時には「登記されていないことの証明書」が必要でしたが、現在は不要となってます。

１．薬剤師免許申請書の書式、注意点

薬剤師免許申請書は下記からダウンロード、印刷をして記載してください。

（薬剤師免許申請書｜厚生労働省)

Word版もありますが、PCでの入力、作成したものでは申請は認められません。

黒のボールペンを使用し、楷書で正確に記入する必要があります。

こちらが薬剤免許申請書作成の見本です。

(参考：薬剤師免許証の申請について｜厚生労働省)

各項目の注意点を紹介します。

収入印紙

30,000円の収入印紙が必要です。

郵便局、コンビニ、役所などで購入可能です。

収入印紙を貼り付けてから間違えに気付くと、はがすのに困ったり、汚したり面倒な事になりますので、収入印紙は最後に貼るようにしましょう。

もし間違えて貼って剥がせなくなってしまったら？

その時には税務署に還付の手続きを行って、過誤納税金として還付されます(参考：収入印紙を契約書に間違えてはり付けてしまいました｜郵便局)

ただ面倒ですし、もう一度収入印紙を購入する必要がありますので、最後に貼るのをおススメします。

施行年月、回数、受験地を記入

今回の場合は、令和6年2月第109回となります。

受験地はあなたが試験を受けた会場地となります。

(北海道、宮城県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、徳島県、福岡県）

合格証書番号

とどいた合格証書に記載してある「合格証書番号」を記入してください。

受験番号ではありません。

ご注意ください。

申請年月日

この用紙を作成した日を書いてください。

とくに制限はありませんが、作成開始日から実際に申請書を提出するまでに時間がかかる場合は、提出日の期日を記載したほうが良いです。

本籍

都道府県のみ記入。

市町村の記入の必要はありません。

住所

現住所を記載します。

引越しをすぐに行う場合は、引っ越し後に住民票を移動したあとに申請書を作成したほうが良いですね。

もし申請書提出後から免許証を受け取るまでの間に、転居や連絡先の変更があった場合は、すみやかに申請書類を提出した保健所に届ける必要があります。

氏名

薬剤免許証に使用されます。

戸籍上の氏名を楷書ではっきりと記載してください。

外国籍の方で住民票に通称名の記載がある人は、併記を免許証に希望する場合、氏名の下にかっこ書きで通称名を記入します。

生年月日

注意が必要です。

日本国籍の方は、元号で記入します(平成○年～）

外国籍の方は、必ず西暦で記入します。

連絡先TEL

本人連絡先を記入します。

携帯電話でも可です。

申請書提出後に電話番号を変更すると万が一の場合連絡がつかないので、気を付けてください。

こちらも住所同様、申請書提出後から免許証を受け取るまでの間に変更があった場合は、すみやかに申請書類を提出した保健所に届ける必要があります。

受付都道府県番号

受付した保健所などで記入するため、記入は不要です。

２．診断書

薬剤師免許の申請時に、診断書が必要になります。

下記の指定された診断書を印刷してください。

(薬剤師免許の申請・診断書｜厚生労働省）

印刷の際には両面印刷を行ってください。

診断書の注意点

病院、診療所で診断をうけ、診断書を作成してもらいます。

診断書発行日の翌日から1ヶ月以内が有効期限になりますので、診断書を作成してもらった後はなるべくすみやかに免許の申請を行いましょう。

「○○医科大学」「○○大学第一内科」などは、病院、診療所として認められず、受理されませんので注意してください。

「○○大学付属病院」はOKです。

診断書の料金

自由診療なので、3,000円～5,000円程度かかります。

病院勤務や勤め先の調剤薬局によっては、関係する医師がサービスで作成してくれることもあります。

私の場合は、当時合格発表が4月ということもあり、先輩薬剤師の知り合いの大学病院の医師に掛け合ってくれて、無料で診断書を作成してくれました。

一度職場に確認するのもありですね。

専門家による判断が必要な場合

診断時に専門家による判断が必要とされてしまったらどうすればいいですか？

その際には、専門科の受診(眼科、精神科、心療内科など）を受診し、診断書の裏面を記載してもらう必要があります。

元々不安な人は、最初から専門の診療科で診断書を作成してもらいましょう。

３．戸籍抄本、住民票

発行日の翌日から6ヶ月以内のものを準備します。

用意するのは、戸籍抄本(謄本)または住民票の写しもしくは住民票記載事項証明書です。

戸籍抄本：本人のみが記載されている戸籍情報

戸籍謄本：家族全員分が記載された戸籍情報

(参考：戸籍の証明を直接窓口に申請する方法｜世田谷区）

住民票の写し、住民票記載事項証明書はお住いの役所、コンビニなどで取り寄せられます。

ただし、どちらも「本籍地」の情報が必要です。

また、個人番号が記載されていないものを提出します。

※薬剤師国家試験の申請時から氏名、性別、本籍地都道府県名、国籍が異なる場合、旧姓併記を希望する人は戸籍抄本(謄本)添付する必要があります。

４．登録済証明書用はがき

薬剤師名簿に登録されると薬剤師として働けますが、免許証が手許まで届くには時間がかかります。

そのため薬剤師名簿に登録されたことをすみやかに証明するため、希望者は登録済証明書を発行してもらう事ができます。

そのための「登録済み証明書用はがき」となります。

免許証申請時にあわせて提出します。

記入方法

大学からこちらのハガキをもらっていると思います。

私の手元には原本がないので、こちらはイメージになります。

登録済証明書用はがきが無い場合

登録済証明書用はがきがありません。

どうすれはいいですか？

登録済証明書用はがきが無い場合は、通常の官製はがきでかまいません。

５．申請書の提出方法

書類がそろったら申請を行います。

提出前に記載漏れ等をしっかり確認してください。

書類の記載内容、添付書類に不備がある場合は、薬剤師免許登録まで時間を要することになりますのでご注意を。

申請書の提出先

申請書類は、住所地(住民票があるところ)を管轄する保健所に提出します。

ただし県ごとによって提出先の保健所が異なりますので、注意が必要です。

各都道府県の申請書提出先の情報は下記のページを参考にしてください。

(都道府県別薬剤師免許申請受付窓口一覧｜厚生労働省)

申請書類の提出方法

「申請書」「診断書」「戸籍抄本・・・」の順に重ねて、左上をホチキスでとめてから提出します。

この束ねた書類に「登録済証明書はがき」をクリップで止めます。

窓口で提出する際には、これら書類にあわせて、合格証書も提示します。

提出する際には合格証書も忘れずに持って行ってください。

補足：罰金刑以上の刑を処せられたことがある場合

過去に罰金刑以上の刑に処せられた人は次の書類の添付が必要です。

４、５：申請書類の到着、薬剤師名簿に登録

都道府県庁から厚生労働省に申請書が届き、書面審査を行います。

審査は到着順となり、問題なければ薬剤師名簿に登録されます。

名簿に登録されるまでは、申請から約2ヶ月程度かかります。

薬剤師名簿に登録されると、ハガキを出している場合は、「薬剤師登録済証明書」が届きます。

これによって薬剤師としての登録は完了です。

ここまでいくと薬剤師免許番号が分かりますので、お勉強のために役立つサイトにやっと登録できます。

詳しくは

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をご覧ください。

６、７：薬剤師免許証が届く

薬剤師免許証は厚生労働省から都道府県庁にまとめて発送されます。

都道府県庁から申請時に提出した住所に薬剤師免許証が届きます。

通常、薬剤師名簿に登録されてから免許証が自分の手元に届くまでは、約2ヶ月かかります。

免許証の受け取り方は、申請窓口か、郵送になります。

ただし、申請する都道府県によって、郵送対応してない県や、逆に原則郵送でしか対応してない県があるので、確認してください。

まとめ：はやく正確に申請しましょう

まとめます。

今回、薬剤師免許の申請について、合格発表後からの流れを説明しました。

勤め先によっては、薬剤師名簿に登録されるまでは、「見習い」として試用期間で働いている場合があると思います。

その期間は薬剤師手当などがつかないため給料が低い可能性もあります。

したがってすみやかに薬剤師名簿に登録される必要がありますので、準備はすみやかに万全に行いましょう。

そして薬剤師名簿に登録されると、いよいよ薬剤師です。

これから長い薬剤師人生でいろいろあると思いますが、気合いをいれて頑張りましょう！

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